インテル® Core™ プロセッサー・ファミリーの仕組み

次世代のサポート。強化されたオーバークロック機能。革新的なハイブリッド・デザイン。デスクトップ PC 向けインテル® Core™プロセッサー・ファミリーの仕組みについて詳しく説明します。

重要なポイント:

  • デスクトップ PC 向けインテル® Core™ プロセッサー・ファミリーは、パワフルな Performance-cores (P-cores) と Efficient-cores (E-cores) を組み合わせて、よりスムーズなゲームおよびコンピューティング体験を提供します。

  • インテル® スレッド・ディレクターは、スレッドをコアに割り当てる際、あらゆるワークロードに対して最適なスケジューリングを決定します。

  • DDR4 または新しい高速な DDR5 RAM のどちらを使用するか選択できます。

  • PCIe 5.0 SSD および GPU のサポートにより、次世代のデータ転送速度を実現します。

  • インテル® Wi-Fi 6E を使用すると、ほぼ 3 倍の高速接続1 と、最大 75% 低いレイテンシー 2 が得られます。

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インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー (第 14 世代) が、これまで以上の性能を備えてついに登場。たとえば、インテル® Core™ i9-14900K プロセッサーは、最大 24 コア、32 スレッドを搭載し、P-core のターボ・ブースト利用時の最大周波数は 5.60GHz に達します。高 FPS のゲームやリソース消費の激しいアプリケーションの複数同時実行などに最適です。

クロック速度の向上とコア数の増加に加え、デスクトップ PC 向けインテル® Core™ プロセッサー・ファミリーは、さらにパフォーマンスを向上させる複数のテクノロジーを採用しています。その中心となっているのが、インテル最新のハイブリッド・アーキテクチャー・デザインです。第 12 世代で導入されたこの画期的なテクノロジーは、2 種類のコア・マイクロアーキテクチャーを 1 つのダイ上に統合することで、コアの効率性を高め、インテリジェントなワークロードの最適化を実現します。一方、インテル® スレッド・ディレクター3 は、マルチタスク処理時のパフォーマンスを最適化するのに役立ちます。

もう一つの重要なのは、最先端の規格と仕様を幅広くサポートする点です。最新のインテル® Core™ プラットフォームでは、DDR5 メモリー、PCIe 5.0 / 4.0 デバイス、3 倍近くの高速接続をサポートする Wi-Fi 6E ルーター1、Thunderbolt™ 4 サポートによる最高のディスプレイと外付けデバイスのサポートなど、最もパワフルな最新 PC コンポーネントを利用できるようになります。

ゲームプレイにとって、どのような意義があるのでしょうか? 主に、ゲーム用ノートブック PC やデスクトップ PC では、できることが格段に上がります。

どう実現されるのかを確認するため、進歩した主要なポイントを説明しましょう。

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パフォーマンス・ハイブリッド・アーキテクチャーとは?

デスクトップ PC 向けインテル® Core™ プロセッサー・ファミリーは、仕事と遊びのスタイルに順応します。ゲーム中は、バックグラウンド・タスクが割り込みを行ったり、ハイパフォーマンス・コアを使用したりするのをプロセッサーが防ぐため、結果としてスムーズなゲームプレイが実現します。たとえば音楽を聴き、チャネルの管理をしながら 4K ビデオを視聴するなど、一般的なコンピューティング・タスクにシステムを使用する際に、システムレベルでよりスムーズに操作できます。

デスクトップ PC 向けインテル® Core™ プロセッサー・ファミリーは、パワフルな Performance-cores (P-cores) と柔軟な Efficient-cores (E-cores) という 2 種類のコアを 1 つのダイ上に統合しています。それぞれのコアが異なる役割を担っています。

Performance-core の特徴:

  • 物理的に大きく高性能な P-core は、効率性を維持しつつ高速化を実現します。
  • 高いターボ周波数および高い IPC (サイクル当たりの実行命令数) に最適化されています。
  • 多くのゲームエンジンで求められる高負荷のシングルスレッドのタスクの処理に最適です。
  • ハイパースレッディングに対応し、2 つのソフトウェア・スレッドを一度に実行できます。

Efficient-cores の特徴:

  • 物理的に小さく、P-core 1 個分の物理的スペースに複数の E-cores が収まります。
  • 消費電力当たり性能で測定される CPU 効率を最大化するよう設計されています。
  • スケーラブルなマルチスレッドのパフォーマンスに最適です。P-cores と連動して、コア負荷の高いタスク (動画のレンダリングなど) を加速します。
  • バックグラウンド・タスクの効率的な実行に最適化されています。例えば、E-cores に Discord やアンチウィルス・ソフトウェアの処理など、小さなタスクをオフロードし、P-cores をゲーム・パフォーマンスを引き出すために解放することができます。
  • シングル・ソフトウェア・スレッドを実行できます。

ハイパースレッディングについてはこちらを参照してください。

インテル® スレッド・ディレクターとは何ですか?

インテル® スレッド・ディレクターは、ハイブリッド・アーキテクチャーのパフォーマンスを最大化するための特別な基盤を提供します。

ハードウェアに直接組み込まれている3 インテル® スレッド・ディレクターは、(静的なルールを使用する代わりに) マシンラーニングを使用して適切なタイミングで適切なコアにタスクをスケジュールします。これにより、Performance-cores と Efficient-cores の連携が可能になります。バックグラウンド・タスクにより処理速度の低下がなくなり、同時により多くのアプリを開くことができます。

インテル® スレッド・ディレクターの仕組みは次のとおりです。

  • 各スレッドのランタイム・インストラクション・ミックスと各コアの状態をナノ秒の精度で監視します。
  • どのようなワークロードに対しても、OS が最適な判断を下せるよう、ランタイム・フィードバックを提供します。
  • システムの熱設計温度 (TDP)、動作条件、電源設定に応じて、ガイダンスを動的に適応させます。

各ワークロードのクラスを識別し、エネルギーとパフォーマンス・コアのスコアリング・メカニズムを使用することにより、インテル® スレッド・ディレクターは、OS がパフォーマンスや効率に最適なコアでスレッドをスケジューリングするのを支援します。

その結果、ゲームのストリーミング配信とゲームプレイ映像の録画の同時実行など、要求の厳しい多くのゲームシナリオにおいてパフォーマンスの向上が実現します。より高い FPS によるスムーズなゲーム体験、より高品質な配信によるフォロワーの視聴体験の向上、ゲームプレイのキャプチャー画像の高画質化などの結果が得られます。

インテル® ターボ・ブースト・マックス・テクノロジー 3.0 にはどのような利点がありますか?

インテル® ターボ・ブースト・マックス・テクノロジー 3.0 は、軽度にスレッド化されたパフォーマンスをさらに向上させます。製造時のダイ内のばらつきにより、他のコアよりも高速なコア (より高いパフォーマンスと低電圧に対応) ができて、ある P-cores が他を上回ることがあります。

ターボ・ブースト・マークス 3.0 は、プロセッサー内の最適な P-cores を特定し、そこに作業をルーティングすることで、これらの違いを利用します。これにより、電圧を上げることなく性能を向上させ、CPU を仕様内で動作させることができます。

ターボブーストはオーバークロックとどのように違いますか?こちらの記事を参照してください。

DDR5 メモリーとは何ですか?

インテル® Core™ プラットフォームは、メモリーに関して DDR4 または DDR5 という重要な選択肢が用意されています。

DDR5 は、次世代仕様の RAM で、現在の標準である DDR4 と比較して、速度と効率の面で多くの改良が加えられています。

  • バースト長 (1 サイクルで読み出せるビット数) を 2 倍にすることで、キットの高帯域化を実現します。
  • 第 13 世代は、DDR5 では最大 5,600MT/s、DDR4 では 3,200MT/ 秒 の速度に対応しています。
  • DDR5 では、モジュール当たり最大 128GB の RAM を搭載できますが、DDR4 では 32GB までしか搭載できません。
  • DDR5 では、メモリーバンクのグループ数が倍増し、グループのリフレッシュ速度が向上しています。

デスクトップ PC 向けインテル® Core™ プロセッサー・ファミリーではシステムを構築するにあたり、実績のある DDR4 または新しい DDR5 のいずれかの RAM を使用するオプションが用意されています。現時点で DDR4 を選択したとしても、インテル® Core™ プロセッサー・ファミリーなら将来的に DDR5 にアップグレードすることができます。

デスクトップ PC 向けインテル® Core™ プロセッサー・ファミリーの多くは、オーバークロック対応メモリーをサポートしているため、RAM のパフォーマンスをより自由に調整することができます。インテル® エクストリーム・メモリー・プロファイル 3.0 (XMP 3.0) の DDR5 プロファイルを使用して、メモリーを簡単にオーバークロックし、新しいカスタム・プロファイルを作成して動作を調整できます。

PCIe 5.0 とは何ですか?

最新のインテル® Core™ CPU は、PCIe 5.0 への移行に関して業界の最前線に位置しています。PCIe 5.0は 4.0 の 2 倍の帯域幅を持つため、使用するシステムで次世代の SSD やディスクリート GPU を活用することが可能です。

PCIe は拡張バスの一種です。高速なデータ転送が可能であるため、グラフィックス・カードや SSD などの高性能な周辺機器をマザーボードに接続するために使用されます。PCIe は世代を重ねるごとにスループットが倍増し、PCIe 5.0 では理論上の最大データ転送速度が 32GT / 秒に達します。

PCIe 5.0 採用の利点は、次のとおりです。

  • PCIe 4.0 および 3.0 デバイスとの完全な後方互換性
  • 4.0 の 2 倍の帯域幅、3.0 の 4 倍の帯域幅を実現。
  • 最大 16 個の CPU PCIe 5.0 レーンと最大 4 個の CPU PCIe 4.0 レーンを搭載するほか、インテル® 700 シリーズ・チップセットには最大 8 の PCIe 4.0 対応レーンがさらに搭載されます。

PCIe 5.0 と CPU PCIe レーンの詳細については、引き続きこちらをご覧ください。

デスクトップ PC 向けインテル® Core™ プロセッサー・ファミリーでオーバークロックを行う方法

最新のデスクトップ PC 向けインテル® Core™ プロセッサー・ファミリーのアーキテクチャーは、ユーザーに高度な調整オプションを備えたオーバークロック対応プロセッサーを提供します。P-cores および E-cores で別々のオーバークロック制御を行うことで、コアの挙動を好みに合わせて調整できます。

ゲーム向けシステムを最大限に活用するには、最新バージョンのインテルのオーバークロック・ユーティリティーを使用してください。

  • インテル® エクストリーム・チューニング・ユーティリティー (インテル® XTU) は、野心的で経験豊富なオーバークロック・ユーザーに高度なツールセットを提供します。最新バージョンは、E-cores の新しい高度なチューニング・ノブおよび詳細なパフォーマンス分析用のテレメトリーデータにより、オーバークロックをより高度に制御できます。4
  • インテル® スピード・オプティマイザー (ISO) は、インテル® XTU の最新バージョンに組み込まれたワンクリックで使えるツールです。オーバークロック対応の第 13 世代インテル® Core™ i9 プロセッサーで利用でき、プロセッサーの個々のパフォーマンス DNA を分析した上で、オーバークロックを自動実行します。
  • インテル® エクストリーム・メモリー・プロファイル (インテル® XMP 3.0) では、DDR5 RAM を容易にオーバークロックできます。DDR5 専用の XMP 3.0 テクノロジーは、最大 5 つのプロファイル、2 つのカスタマイズ可能なプロファイル、電圧コントロール機能の追加など、RAM オーバークロックに一連の機能強化をもたらしました。
  • インテル® XMP アプリケーションからアクセスするインテル® ダイナミック・メモリー・ブーストは、ゲームなど負荷の高いアプリケーションの使用中に必要に応じて RAM をオーバークロックし、動作周波数の高いメモリー・プロファイルに自動的に切り替え、アプリケーションの使用後はデフォルトの仕様に戻ります。DDR4 および DDR5メモリー・モジュールがサポートされています。

オーバークロック対応デスクトップ PC 向けインテル® Core™ プロセッサーのオーバークロック方法の詳細はこちらをご覧ください。

インテル® Wi-Fi 6E とは?

インテル® Wi-Fi 6E は、近年で最大の Wi-Fi テクノロジーの進歩です。標準の Wi-Fi より 3 倍近い接続速度に対応しています。1 新しい規格の主な利点は、6GHz 帯域を使用することです。Wi-Fi 6E デバイスは 6GHz 帯域で動作し、チャネル数とチャネル幅の増加により、より高速かつ高い信頼性のデータ転送を可能にします。

Wi-Fi 6E の特徴:

  • Gig+ のワイヤレス速度 — 理想的な条件下で最大 1,700Mbps1。Wi-Fi 5 の 3 倍近く高速です。
  • 最大 75% 低いレイテンシー (Wi-Fi 5 との比較)2
  • 専用の 6GHz 帯域の仕様によりレガシーデバイスの干渉を防止。

ゲームプレイ時のインテル® Wi-Fi 6E の利点は?まず、インテル® Wi-Fi 6E カードを搭載したシステム上でのゲームプレイでは、遅延が少なくなります。新たに広帯域化した 6GHz 帯域を使用してデータを伝送するため、ネットワークが混雑しにくくなります。その結果、パケット損失や Ping 値の上昇など、オンラインゲームに生じがちな接続の問題を解消することができます。

ゲームサーバーとの Wi-Fi 接続の信頼性を最も高めるには、インテル® Killer™ Wi-Fi 6E カード搭載のインテル® Core™ プロセッサー搭載システムをお探しください。このカードは、ゲーム関連のレイテンシーの問題を解決するために特別に設計されています。

ネットワーク上のゲーム・トラフィックを自動的に優先するインテル® Killer™ プライオリタイゼーション・エンジンや、Wi-Fi とイーサネット接続を併用して接続を最適化するインテル® Killer™ DoubleShot™ Pro などのテクノロジーを搭載しています。

インテル® Wi-Fi 6E の詳細はこちらをご覧ください。

Thunderbolt™ 4 とは?

最新のデスクトップ PC 向けインテル® Core™ プロセッサー・ファミリーでは、インテルが開発した汎用ケーブル接続インターフェイスである Thunderbolt™ 4 テクノロジーをサポートしています。

双方向帯域幅 40Gbps の Thunderbolt™ 4 ポートには、外付けの高速 SSD、1080P の 240Hz ゲームモニター、ストリーミング時のビデオ・キャプチャー・デバイスなど、複数の高性能デバイスを接続することが可能です。幅広いデバイス (DisplayPort、USB 4、外付け PCIe、レガシー Thunderbolt™ デバイスなど) との互換性があるため、あらゆる機器のハブとして使用できます。

このような理由から、Thunderbolt™ 4 ポートは、ゲームマシン、ワークステーション、ストリーミングのセットアップを構築するのに最適なポートとなります。また、デュアルモニター、メカニカルキーボード、外付けドライブ、マイクなどのデバイスを接続することで、ノートブック PC でデスクトップ PC のような使用感を実現することも可能です。1 つの Thunderbolt™ 4 ポートに最大 5 台のデバイスを接続できます。

Thunderbolt™ 4 の多くの利点について詳しくは、こちらをご覧ください。

世代を超えたパフォーマンスの飛躍

最新のインテル® Core™ プロセッサー・ファミリーの強みは、一流のパフォーマンスを発揮することだけではありません。最も必要なとき、最も必要な場所に、そのパフォーマンスを届けます。求めるのが最大限の FPS でのゲームプレイでも、クリエイティブなワークフローにおける複数処理の同時実行でも、新しい P-core/E-core ハイブリッド・パフォーマンス・アーキテクチャーが期待に応えます。

インテル® Core™ プロセッサー・ファミリーは、パフォーマンスの向上とともに、最新のテクノロジー規格をサポートするシステムを搭載しています。インテル® Core™ プロセッサー搭載システムでは DDR5、PCIe 5.0、Wi-Fi 6E、Thunderbolt™ 4 が利用可能になり、現在、そしてこの先何年にもわたり、最適なコンピューティング体験を実現します

ニーズに合わせて最適なゲーム用ノートブック PC またはデスクトップ PC をお探しください。

よくある質問

マザーボードは、ご使用になる RAM のタイプをサポートしている必要があります。DDR4 と DDR5 はともに 288 ピンですが、レイアウトが異なるため、同じ DIMM スロットに装着することはできません。